父と初孫

うちの長男は、父にとっての初孫である。

特別なものだったようだ。

 

生まれて1か月ほどになると、赤ん坊も顔が整ってくる。

身内としては、何より可愛い。

よその子よりも、うちの孫が一番可愛い・・・と確信するらしい。

 

写真を絶えず財布に忍ばせ、「お孫さんはいかがですか?」と部下が言ってくれるのを待っていたらしい。

ところは、部下たちは、怖い上司である父に仕事以外の余計なことは言わない。

仕事中は、非常に怖かったらしい。

 

仕方なく、ベテラン女性社員さん(孫あり)に「お孫さんは何歳になったかな?」などとたずね、さりげなく孫自慢をし、写真まで見せてご満悦になっていたらしい。

 

そのベテラン女性社員さんが上手に部下たちに指令を出してくれたのか、部下たちが父に孫のことを尋ねてくれるようになり、チラッと写真を見せて満足していたようだ。

 

その父ももう居ない。

私もその頃の父の年齢を超えてしまった。

 

母の誕生日

子供たちは小学生、私はフルタイムで働いていた頃のことでる。

父から電話がかかってきた。

「かあさんの誕生日、忘れただろ?」

 

「あれ?ん? 昨日だ!まずい!」

 

父も私も、母の誕生日をすっかり忘れてしまっていたのだ。

 

覚えていたのは、弟のお嫁さんで、花とお菓子をもって「おめでとうございます!」と訪れたそうだ。

義妹を迎えたとき、父はまずいことに「今日は何だったかね?」と言ってしまったらしい。

義妹よ、よくぞ覚えていてくれた。全員忘れていたら、母の機嫌はどうなっていただろう。いや恐ろしい。

母の機嫌を損ねるのは、何より恐ろしいのだ。

 

その後、父は、母に機嫌を直してもらうべく、精一杯頑張ったらしい。

 

それ以来、スケジュール帳を買うと、まず家族の誕生日にチェックをいれる。

 

今は、googleのカレンダー機能が毎年教えてくれるので、助かっている。

googleカレンダーの繰り返し機能、「毎週」「毎月」「毎年」は、忘れっぽい私の強い味方だ。

 

 

 

 

 

本好きの原点

奇巌城 怪盗ルパン全集シリーズ(1) (ポプラ文庫クラシック)

 

小学生のころ、読書の先達は親友だった。

親友が「これ、面白いよ」と紹介してくれた本に次々にハマる。

 

そのころの学校図書館には、個人の貸し出しカードとそれぞれの図書のカードがあり、個人カードの進み具合と図書のカードの自分の名前の位置を気にしたものだった。

私の前に借りたのは誰か・・・とか。

 

少年探偵団シリーズ、ホームズシリーズ、ルパンシリーズと次々にハマる。

大人用の本ではなく、少年少女用のシリーズだった。

その時の表紙絵がこれと同じかどうかまでは覚えていないが、amazonで見たときは驚いた。

そうそう、こんな雰囲気の表紙だ。

 

高学年になると、「少年少女の本」から「大人の本」に移っていく。

何ということはない、文庫本である。

 

ホームズ、ルパンも文庫で読み直し、そして江戸川乱歩の作品は「少年少女の本」とは違うのだと知る。

別物は・・・面白い。隠れて読む。

 

エラリー・クイーン、クリスティ、ずんずん進み、これが中学でピタッと止まってしまう。

なぜだ?

 

復活したのは、大学生の頃。

またまた友人から勧められたのが、P・D・ジェイムズ

一旦読書にハマりだすと止まらず、メアリ・H・クラーク、ルース・レンデル、
マイクル・Z・リューインと突き進む。

 

今になって、なぜこのようなことを思い起こしているのかというと、

BS11のヨーロッパドラマの時間枠で、P・D・ジェイムズの「ダルグリッシュ」シリーズが始まると知ったからだ。

 

あんなに読んだのに、内容をすっかり忘れてしまっているのが悲しい。

読み返すか?

しかし、最近は海外の作家の本は登場人物の名前が覚えられず、話の筋についていけなくなってしまう。

悲しいことに、読書能力も老化するのだ。

 

初ものがたり

<完本>初ものがたり (PHP文芸文庫)

しばらく宮部みゆきさんから離れていたが、「完本」と「イラスト」に惹かれて手に取る。

 

ずいぶん前に読んだ記憶があるが、「完本」となって再登場か?

茂吉親分お久しぶりです。

 

読んでいると、稲荷ずしを無性に食べたくなる。

「カムカム」を観ると、大判焼きが食べたくなるのと同じか。